なんだ。普通のひーくんじゃん!
浮気とか、受験のプレッシャーとか。
そういうの全然関係なかった。
ただ会えないからそうゆう風に見えただけで、別に心配することなんて何もなかった。
「ね、ひーくんちょっと痩せた?」
さっき見られた時に、ふんわり感じた違和感。
なんとなーく、顔のお肉が無くなったような。
って言っても、元々ひーくん自体細いんだけど、そんな感じがした。
「…かもね」
ひーくんは、苦笑いしてそう言った。
「ひーくん元々細いのに。ちゃんと食べなきゃダメだよー!?」
「んー?はる、人の事言えないでしょ」
そう言ってひーくんは、私の両頬を軽く引っ張った。
「うん、昔より痩せてる」
「ふぁめーふぇーー!」
ほっぺたを引っ張って確認することじゃないよ!
可愛くなるには、ダイエットかかせないんだもん。
「だって、痩せてた方が可愛いから…」
ひーくんの手が離れて、私はそう言った。
「今でも充分可愛いと思うよ?」
ひーくんは、そう言ってにっこり笑った。
「そ、そういう問題じゃなくてっ!」
彼氏の方が細いって、流石にショックだし。
ひーくん身長があるから、ある程度体重があっても細く見えるけど、私はそんなに身長が高い方じゃないから、すぐ太ってみえちゃう。
「色々あるんですよぉ、だ」
「そんな気にしなくても、そのままのはるがいいけど…むしろそれ以上痩せないでね」
「えー…?」
「体調悪くなったりとかしたら…ね、大変でしょ。…って事で、今日パフェね」
ってひーくんが言ってる間に、目の前にはパフェのお店があった。
ひーくんは、確信犯のように不敵に笑う。
私は真逆で、高カロリーに怯えた表情をしていた。
笑ったひーくんは、とっても幼く見えた。
いつも勉強ばかりで、眉間にしわ寄ったり、真顔だったりしてたから、なんだか嬉しくて。
こんな顔にさせるの私だけならいいのにってそう思った。