ぴろん…っ
夜の10時半過ぎ、スマホがなった。
『良かったね。はる、綺麗になったね』
スマホの画面を見て、私は一気に立ち上がった。
「ひーくんだっっっ!!」
やばい、褒めてくれた。
わかってくれた!!
ひーくんが『綺麗』って言ってくれただけで、心拍数がめっちゃ上がって、
とにかく嬉しくて、
顔が溶けそうなくらい熱くなって、飛び跳ねたくなった。
好きな人に褒められるって、やっぱりなによりも嬉しい。
きっと今、塾が終わったばっかりで疲れてるのに、ラインくれただけでも嬉しいのに、
もう嬉しすぎて、とにかく自然とニコニコしちゃう。
『ありがとっ!!ひーくんも塾お疲れ様っ!』
ドクドクってうるさい心臓を落ち着かせながら、私はそう送った。
もー…ひーくん大好き。
早く会いたい。
土曜日に名津美ちゃんと買い物行って、色々教えてもらったら、真っ先にひーくんに会いに行って、直接見てもらいたい。
ひーくんが居てくれるだけで本当に世界がぱぁーって明るくなる気がする。
って言っても。今はひーくん忙しいから、あんまり会えたりとか連絡も出来ないけど。
来年になったら、ひーくん。受験終わるし、終わったら、めいいっぱいひーくんと色んなところにデートしに行きたい。
カフェ行ったり、遊園地とか動物園とか。
想像するだけで今から楽しみ。
そう。
あの日が来るまでは、ひーくんが居ることがただ、ただ当たり前で。
ひーくんが隣にいない事なんて、想像すらしてなかった。