「で!はるちゃん写真撮る?」
「え?!」
「さっき高崎先輩と話してたのきーてたの!せっかくなんだし彼氏さんにも見てもらいなって!」
名津美ちゃん、聞いてたんだ…!
「い、いいの?」
「いいよいいよ!!私も、合コン終わったら写真撮りたいって思ってたし!
…ほら!こっち向いて向いて!!」
名津美ちゃんは、すかさず自分の携帯でカメラを起動してて、私は戸惑いながら、ピースサインでカメラに映った。
「って事ではるちゃんのID教えてっ!」
私は流れるようにラインのIDを出した。
「って事で追加おっけ!今送るからねっ!」
善は急げ、と言わんばかりに名津美ちゃんのペースが早くて、あわあわしてる間に名津美ちゃんから写真が送られてきた。
「今度買い物行こって話だったし、ライン交換して正解だね!これからも、よろしくね!はるちゃん!」
名津美ちゃんは、とっても楽しそうにそう言った。
「こちらこそだよ!!私の方こそよろしくっ!これから色々教えてねっ!」
「勿論!任して!…買い物は?いつ行く?今週土曜日空いてるけど!土曜日空いてる?」
「え…あ!うん!空いてるよ!」
「じゃ、土曜ね!駅前10時で!…私駅前にできた新しいクレープ屋行きたいんだ〜!買い物ついでに行こっ!」
「あ、うんっ!ありがとー!」
まさか、合コンに参加しただけで名津美ちゃんとライン交換したり、一緒にお買い物に行く約束できたり、こんなに仲良くなれるとは思ってなかった。
名津美ちゃん、クラスでも派手な方の人だったから、世界が違うと思ってたけど、そう思ってたのは間違いだったんだなぁ…
「じゃ、はるちゃん彼氏さんにちゃーんと送ってね!また明日!学校でね〜!」
そう言うなり、名津美ちゃんはすぐに帰っていった。
「…嵐のようだなぁ…」
とにかく名津美ちゃんのペースが早くて、私はただただ呆然と立っていた。
スマホを見たら、名津美ちゃんと私のツーショットの写真があって、
とりあえず画像保存して、ひーくんとのトーク画面を開いた。
最後に私が送ったメッセージはまだ既読になってなくて。
ひーくん、忙しいんだろうな…
と思いながら、私は保存した写真をひーくんに送った。
『ひーくん、お疲れさまぁ!
今日、新しい友達ができたの!名津美ちゃんって言ってとっても可愛くて優しい子なんだ!』
写真と一緒に、そうメッセージを残した。
化粧の事は、自分で言うのも恥ずかしくて、とにかく名津美ちゃんの話だけ。
ひーくん、気付いてくれたらいいなぁ。