いっせいに中に入った

圧倒的にうちらが押してる

うちと星河と蓮夜は角に行き、蘭を囲む形で陣取っていた

「…っ!もういい!お前らあれを出せ!」

瑠衣が叫んだ

するといっせいにBLACKS全員が銃を構えた

マジかよ…

それでも何とかBLACKSの下っ端達は全滅させた

あとは幹部に副総長、総長だけだ

まー、いい

作戦通り行けばそろそろ華苗の居る部屋から結香と花音が出てくるはずだが…

ーーーバンッ

「未雪!華苗が居ない!」

「…え?…おい…BLACKSの総長さんよ…華苗はどこだ?」

殺気を帯びて言うと瑠衣が急に笑いだした

「ふっ…はははっ!あいつならここさ」

瑠衣が物陰に行ったと思ったら華苗を引っ張ってきた

体も心もボロボロな華苗は喋る気力さえもなかった

華苗には頑丈な手錠がかけられていた

「こいつの手錠は鍵がないとあかねーよ笑笑」

「鍵はどこだ……」

うちが言うと後ろから

「私が持ってる」

と聞こえた

後ろを振り返ると案の定、蘭がいる

「蘭…っ!ナイス!その鍵ちょうだい?」

「……私があけたい」

「え?」

「助けたいから」

「でも危なっ…!」

言いかけた所で蘭は走ってうちらを抜けて華苗のとこに向かった

「蘭っ!」

追いかけようとしたとき…目を疑った

蘭が華苗の横にいるのに瑠衣をはじめ、副総長も幹部も誰も蘭を止めようとしなかった

「未雪ちゃんごめんね?」

蘭は華苗の横で立ち止まりこっちを振り返った

「え?…なにが?」

おかしい…蘭…

もしかして…?!

「私はかな姉が憎い。私の大切な親友を奪った!いとこでもある親友を…!」

「…どういうことだ?」

星河と蓮夜はこのことをしらない

「…瑠衣…ちょっとかな姉と2人で話がしたい。すぐにおわらせる。」

「…まぁいい。でも分かってるよな?」

「…分かってる…」

瑠衣が一瞬ニヤッとしたのをうちは見逃さなかった
「…蘭…お前っ!裏切ったのか?!」

うちは声をはりあげた

足を1歩前に出すと

ーーーガサッ

ん?

下に目線をやると折りたたまれた紙が落ちていた

その紙の上に

『私がどこか部屋に入ったら読んで』

と書かれていた

どういうことだ…?

睨むように蘭に目線を上げると

その通りにして

とでも言わんばかりに睨みかえしえきた

「瑠衣…ちょっとここの部屋借りるね」

「はやくしろ」

蘭は華苗を引っ張って部屋に入ろうとした

近くにいた結香と花音が止めようとした所に蘭がボソッと何かを言った

結香と花音は一瞬殴ろうとしたが手を下ろした

それを見ていた瑠衣は勝ち誇ったような顔をしていた
蘭が部屋に入った瞬間、瑠衣が背を向けている間に紙をひろい読んだ

『ごめん、瑠衣と裏で繋がってた。でも大丈夫。裏切った訳じゃない

さっきかな姉に言った言葉は嘘。私達が部屋にいる間にBLACKS全員潰して!

未雪…ごめん。ありがと。必要ない私を守ってくれて

私はいとこでもある親友の元へ行くね!

鍵はかな姉に渡しときます』

「なっ…!」

やばい、蘭…!

一瞬で蘭が何をしようとしているか分かった

「みんな!いっせいにアイツらを潰せー!!!」

うちの合図でみんな一斉に飛びかかった

はやくしないと!蘭が!

みんな本気を出したのかBLACKSは瞬殺だった

すぐに警察を読んで処理をしてもらった

言い忘れてたけどうちらは警察公認の族

すぐに華苗達がいる部屋に走った

ーーーバンッ

「華苗!蘭!……華苗!?」

「ハァハァハァハァ…み…ゆき…うっ…」

そこには泣き崩れ、心臓をおさえ苦しそうにしている華苗がいた
華苗side

「私はかな姉が憎い。私の親友を奪った!いとこである親友を!」

蘭が叫んだ

…ごめんな蘭…

全部うちが悪いんだ

だから何も言い返せないし言い返す気力も理由もない

…うちは生きてちゃいけない人間なんだ…

そろそろこの命もつきる

それがちょっとはやく蘭に殺されるだけのこと

別にどうってことない


蘭に引っ張られてうちが閉じ込められてた部屋に連れてかれた

「…ごめんね…蘭…。うちを殺すんでしょ…?いいよ。うちは生きてちゃいけないから

死んでも罪を償いきれないかもな…。それぐらいのことをしたんだよ…」

「っ!かな姉!違うの!」

「違わない!うちは愛佳(マナカ)を殺したんだよ??うちが…っ!実の妹を!」

「愛佳の事はかな姉のせいじゃない!さっきのも全部嘘!

恨んでないし、殺したいとも思ってない!」

「…えっ…?じゃぁなんで…」

「生きてちゃいけないのは私の方…愛佳、学校でいじめられてたの…」

「う、そ…だろ?」

「本当。私は助けれなかった…止めれなかった。ターゲットが自分になるのが怖かった…っ!」

「そんな…」

「そんな時、かな姉と愛佳が事故にあって、愛佳は…死んだ…後悔しても遅かった……

私は愛佳の所に行く…謝りにいくんだ…!」

そう言って蘭は窓の前に立った

何かに取り憑かれてるみたいに目に光が宿っていなかった

「…蘭…?」

「さよなら…かな姉…今までありがとう」

「蘭っ!!!」

止めようと手を伸ばしたが遅かった

蘭が窓から飛び降りた…

そう理解するのには1秒もいらなかった

「…蘭…?うそだよね?また大切な人を失うの…?」

心臓がドクドク音を立てる

ハァハァハァハァ

苦しい…

「…蘭!蘭!いやぁぁぁぁ!」

「華苗!蘭!…華苗?!」

未雪が急いでドアをあけ、近寄ってきた

「未雪…!蘭が!蘭が!うっ…ハァハァ」

心臓が痛い…!

あぁ、大切な人を失ったまま死んでいくのかな?

意識がもうろうとする中、未雪の焦る顔と星河の泣きそうな顔を見て意識が途切れた
星河side

未雪と一緒に部屋に駆け込んだら目を疑った

そこには泣き崩れる華苗がいたからだ

「未雪…!蘭が!蘭が!うっ…ハァハァ」

そこには蘭の姿がない

まさか…

「星河!救急車!よんで!」

考える暇もなく未雪の声が飛んできた

「華苗?!」

華苗は意識がなかった

「はやく!」

「お、おう!」

ショックでか?

どうしたんだ…華苗…大丈夫かよ…

こんな時に何もしてやれない自分が情けない

救急車が到着して、未雪だけが乗り込んだ

「俺もいく!」

「あんたは後で来て、こっちにもいろいろあるの!」

怒鳴られてしまって俺は何も言えずあとからみんなと病院に向かうことにした

この時俺は華苗がどんな状況なのかを知るよしもなかった
華苗side

『お姉ちゃん…』

え、誰?

目をあけると何も無い真っ黒な空間に1人ぽつんと立っていた

『私だよ。愛佳。』

『愛佳!』

あたりを見回しても誰もいない

『どこにいるの?!愛佳!』

『お姉ちゃん…そんなに大きい声を出さないでよ』

『だって!愛佳なんでしょ?!どうして…』

『お姉ちゃん…私お姉ちゃんに感謝してるの』

『えっ…』

『蘭からきいたでしょ?私いじめられてたの。蘭は助けられなかったって自分を責めてた…

けどね…あれはしょうがなかった…むしろ私がターゲットで良かった』

『愛佳…』

『あの日…お姉ちゃんは私を連れ出してくれたでしょ?』

『ごめん…愛佳…うちのせいでっ!』

『お姉ちゃん…それは違う。私、本当はあの日自殺しようとしてた』

『うそ…』

『ホントのこと。嫌がった私を無理やりバイクに乗せて連れ出してくれた。

その後後ろから居眠り運転をしたトラックが突っ込んで来た時、私、夢をみたの』

『夢…?』

『私のいのちと命と引き換えにお姉ちゃんを守ることが出来る…そう教えてくれたの。

私は迷わずお願いしますって答えてた』

『まな…か…』

『今、私はお姉ちゃんの心で生きてるの。お姉ちゃん病気諦めてるでしょ…?

私が守った命なんだから…大切につかってよね!』

『そうだったのか…。ごめん愛佳…。

もう諦めないようにしようかな。頑張って生きてみるよ…。

守りたい物も、大切な人もいるからね』

『…お姉ちゃん…ありがとう』

『愛佳?』

その言葉を最後に愛佳の言葉はきこえなくなった

もっと話がしたかった…

そう思った瞬間突然眠気に襲われ眼を閉じた

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