朝から暗い話は気分がのらないからやーめた。
「ちょっと華苗?ボッーとしてないで準備して!今日から学校でしょ?」
「ごめん、ごめん、……未雪がはやいんだよ…。」
「ん?なんか言った?(黒笑)」
「なんも言ってません…」
目が笑ってないよー(泣)
今日から私たちは黒田高校へ転校する
今まで病気に縛り付けられてたけど、どうせ死ぬなら生きたいように生きようって思って同じ族で黒田高校に通ってる1つ下の乃々花(ノノカ)と亜依(アイ)の紹介ですんなり転校出来たのだ
なんですんなり入れるのかは謎として…
支度が終わり病室を出ると2人の人影が見えた
「華苗、未雪、つらくなったら言えよ。」
「真美さん…。大丈夫ですよ?分かってます」
真美(マミ)さんは小さい時から見てくれている医者だ
「華苗、未雪、いい?退院したからって、治ったわけじゃないのよ?」
「花菜ちゃんも、心配しすぎ!そんなバカに見える?」
「「見える」」
2人してはもんなよ(笑)
あ、花菜ちゃんはちっちゃい時からお世話になってる看護師さんだよ!
最近は症状も落ち着いてきて、学校にも通いやすいように仮の退院をすることになった
「華苗、バイクで行く?」
未雪が悲しそうな顔で言ってくる
「うん、大丈夫だよ?」
「…ならいいけどね」
私は過去に色々あってバイクに乗るのがちょっと怖くなったの
1人なら全然大丈夫だけどね
後ろに誰かをのせたり、乗ったりするのが怖いんだよね
「「真美さん!花菜ちゃん!行ってきます!」」
「いってらっしゃい!」
「気おつけてね!」
2人の笑顔に見送られ、バイクにまたがり病院をあとにした
数分で学校につきバイクをとめ、2人で校舎を見つめていた
黒田高校、通称、黒高はかなりの不良高で評判もあまりよくないことから想像していたのは汚い校舎で…でも、想像の校舎とはほど遠く、しっかり整備された綺麗な校舎だった
「えっと、最初に理事長室寄らないといけないんだよね」
「華苗、場所分かる?」
「……知らん」
「……ダメじゃん!」
2人で顔を見合わせ笑ってると後ろから、
「華苗ー、未雪ー!おはようー!!」
このテンションの高い声は乃々花の声だ
「2人が学校とか、すごい違和感w」
1人で笑ってるのが亜依だ
乃々花と亜依は華雪の幹部で黒高の1年生
華雪は幹部以上の人間は全員タメで話す決まりがある
まぁーその決まりを作ったのはうちだけどね
「あ、そうだ。乃々花、亜依、理事長室どこ?」
うちが言うと未雪も、思い出したように頷いている
「おっけ!ついてきて!」
そういった亜依の後ろについて行くこと2分
あるドアの前に立っていた
ひとつだけ豪華な扉、金の文字、すごい金がかかってそうだ…
そう思いながらもドアノブに手を置いて
「失礼します」
と一言いい中に入った…
「おー!きたか!待ってたぞ!」
「「えっ?」」
マヌケな声が出たうちと未雪は顔を見合わせ
「優さん?」
優(ユウ)さんは私たちがお世話になってる病院の医院長だ
昔から面倒を見てくれていた
「あ、言ってなかったっけ?」
優さんにはことごとく呆れる
「はぁー」
ため息をつきた直後
「お兄ちゃん?ちゃんとしてよね、もー。」
ん?お兄ちゃん?
「亜依?今なんて?」
「え?ちゃんとしてよねって」
「その前!」
「お兄ちゃん。」
「「ええええーーー!!!」」
未雪と一緒に大声で叫んだ
初知りだし……
「亜依のお兄ちゃんなの?!」
「知らなかった!」
うちと未雪が交互に言うと
「知らなかったの?知ってると思った…」
はぁー兄妹そろって似てるな…呆れた。
「まぁーいいや、優さんうちらのクラスは?」
「えっと…2年A組だよ、ちょっと待ってね!」
そう言うと優さんはマイクに手を伸ばし
「2年A組 松坂先生。至急理事長室まで来てくださーい!」
そして、1分もしないうちに松坂?っていう先生がきた
「今日から華苗さんと未雪さんの担任の松坂です。よろしくお願いします」
丁寧な自己紹介をされて逆にビビった
「鈴野華苗。よろしく」
「佐藤未雪。よろしくー」
似たようなテキトーな自己紹介をして簡単な説明をきいたあと
乃々花と亜依と別れ松坂のあとに続いて教室に向かった
「私が入ってきてくださいって言うのでそしたら入ってきてくださいね」
そう言って松坂は教室に入った
なのにいっこうに静かにならない
「……うるさいな」
「だね、」
こっちはずっと廊下にいるんだよ
もー、待てねー、
ドアを思いっきりあける
「バーン!」
クラス全員がこっちを見てる、けどそんなの気にしない
「テメーらさっきからうっせーんだよ!いつまで人を立たせれば気がすむんだ!!」
ちょっと叫んだだけで全員ヒビってやんの
松坂もビビってるし、弱いな、
「華苗、めっちゃ殺気出てるよ。」
そうゆう未雪も結構出てる
「え、えっと、きょ、今日は転校生がきてます」
噛み噛みな松坂はほおっておいて勝手に自己紹介をする
「鈴野華苗。華雪初代総長。よろしく」
「佐藤未雪。華雪初代副総長。よろしくー」
この高校は男女問わずほぼ全員がどっかの族に入ってる。
だから別に暴走族って言っても誰もビビらない
けどクラス全員顔が真っ青だ
なぜって?
華雪は日本No.1の暴走族だから
作って1年もしないうちにNo.1になって、すごい勢力を持ってる
我ながら凄いと思う
黒高にはNo.2もいて、
えっと…名前なんだっけな…
あ、星夜(セイヤ)だ
正直レベルはうちらより全然下。
喧嘩なら余裕で勝てる
華雪は幹部以上に女子しかいない
女子が強いってわけだ
「まぁーよろしくね」
「よろ!」
うちと未雪がニコッと笑うと男子生徒が顔を赤らめた
よく可愛いだの美人だの言われるけど自覚してない
未雪は可愛いけどね
うちは金髪でロングヘア。おまけに巻いてるから大人っぽく見える
自分で言うのもなんだけど
未雪は茶髪に毛先を青に染めてる。オシャレだと思う。そういうの似合う人っていいよね
「華苗さんと未雪さんの席は窓側の1番後ろとその前ですよ」
松坂の言う方を見ると席があいてるのがみえる
ほかの席もいくつかあいてる
休みなのかな?
なーんて考えなが席へついたとたん
「バーン!」
ドアが勢いよく開く音
「遅れましたー!」
「すいませーん」
そんな声と共に4人の男が入ってくる
そしてその中の金髪でいかにも不良感満載の男と目があった
「……」
「……」
無言で見つめあってる?って言うか軽く睨み合ってるとほかの3人も気づいたのか
「えー?誰?転校生?」
とよってくる
ウザ
まじでこうゆうの好きじゃない
「……」
無言で殺気をだす
「…っ…」
4人全員固まってる
なんだ弱いな
「華苗、それぐらいにしときな」
未雪の声と共に殺気をけす
すると
「俺は星夜初代総長 深川星河(フカガワセイガ)」
急に名乗り始めたことに頭にハテナがいっぱいだけど無言を突き通す
「俺は星夜初代副総長 木村連夜(キムラレンヤ)」
「僕は星夜の幹部 花森銀河(ハナモリギンガ)でーす!」
「俺も幹部 今井地龍(イマイジヨン)」
「ただ者じゃ無さそうだな。お前ら何者だ?」
星河が睨みながら言ってくる
わー、クラス全員顔真っ青だ
これのどこが怖いんだか…
こいつら星夜か…
出来れば関わりたくないな
「鈴野華苗。……華雪初代総長。」
「佐藤未雪。華雪初代副総長。」
うわー、ヒビってるし
そこで朝のHRの終わりのチャイムがなった
「うちら関わりたくないから、じゃぁーねー!」
未雪がそう言ってうちの手を引いて教室を出た
廊下に出ると乃々花と亜依が待っていた
「華苗ー!未雪ー!空き教室いこー?」
乃々花のあとに続いて行くとそこだけそこだけ廊下に生徒がいない、空き教室があった
「なんでここだけみんな近寄らないの?」
「んー、うちらが使ってるからじゃね?」
亜依は興味無さそうに言った