「…え、…か…え、………華苗?」

未雪の声にハッとする

寝てたのか?いつの間に…

「もー、しっかりしてよ?疲れてるなら今日の暴走やめとく?」

乃々花が心配そうに言ってくれる

「大丈夫ー!ごめんね?心配しないで?さぁ!元気に行こー!」

うちがそう言うと、みんなは

「「「「「「おおおおーーー!!!」」」」」

と叫び自分のバイクにまたがった

乃々花、亜依、結香、花音はもう特攻服を着ている

準備がはえーな

いい事だ!

内心偉そうなことを言っておく

未雪も特攻服をはおりバイクにまたがる

「華苗ー!はやくー!支度おそーい!!」

「ごめん!今行く!」

そう言って、特攻服を手に取りはおる

「さぁ!行くぞ!」

「おおおおーーー!!!」
「よっしゃー!」
「いってやるかー!」

それぞれが叫びバイクが走り出す

ーーーーブーンブンブン!!!

そんな爆音と共に夜の闇に消えていった
しばらく走っているとどこからか喧嘩の声がきこえてきた

「総長!星夜と誰かが喧嘩を始めました!」

星夜と誰か?誰だ…?もしかして!

「未雪、急ぐよ!乃々花、亜依、結香、花音はみんなをまとめておいて!」

「分かった!」

すぐそこの路地裏に入るとそこには星夜の総長、副総長がある1人の男ともめていた

「お前ら、俺達が作り上げた鬼龍をなんだと思ってるんだ?!言ってみろよ!」

殴りかかってるけど1発も当たってない
腕が下がったな、弱すぎかよ

「俺たちは、先代の方たちがやってきた事は間違ってるとずっと思ってました。だから自分がトップにたったとき変えてやろうって思ったんですよ」

星夜の総長…いや、星河はいたって冷静だ

それにムカついたのか相手はあるものを取り出した

「…っ!」

銃だ。

「俺をなめたらどーなるか思い知らせてやるよ!」

ーーーーバーンッ

そんな銃声とともにうたれた弾は星河の左足にかすった

「っ…!」

足からは結構血がたれている

「…お前っ!」

連夜が立ち向かうも

ーーーーバーンッ

今度は蓮夜が右肩うたれた、

なんだ2人とも弱いな…

そんなこと今はどーでもいい
厄介なやつだな

タイミング見て出てやるか

「どっちが先に死にたい?」

そう言って再び銃をかまえた

今だ!

うちは走ってあいつの銃を抜き取った

「…え?」

あいつの間抜けな声に重ねるように

「卑怯なまねしてくれるじゃない…元鬼龍の3代目総長さん」

「お前は…!華雪初代総長…綺蝶っ!」

うちの通り名は綺蝶(キチョウ)綺麗に舞う蝶みたいだからだとか…

今はそれより、

「銃なんて武器にたよって…お前にプライドはないのか?!」

「うるせぇよ!お前もまとめて死ね!」

あいつはもう1つ銃を持っていたらしく、銃をかまえた

私は後ろに周り相手のすきをつき弾をかわし銃をはじき飛ばした

それぐらい簡単なことだけど
「…っ!チッ!」

舌打ちをしながら殴りかかってくるも

スッっとよけ、1発腹に食らわしてやった

「…うっ!」

そう言って倒れ意識を失った

1発で倒れるとか、弱すぎかよ


「未雪、こいつの後始末よろしく」

そ言ってうちは星夜の前にたった
【星河side】

なんなんだよ、こいつ

俺の喧嘩につっこんできやがって

そう思うはんめんこいつがいなかったら死んでたと思う自分もいる

華雪初代総長の綺蝶か…

実を言うと俺の憧れでもあったりして

「おい、お前大丈夫か?」

そう言ってあいつ、いや華苗が手を差し伸べる

「…ああ、……いっ…て…!」

足に力が入らず立ち上がられない

情ねぇ、華苗が華雪初代総長だからって、しょせん女だ

女に助けられ、あげくのはてには怪我もした

「…噂のわりには…弱いな…。」

「なっ…!」

弱いって改めて言われるとグサッとくるな

「星河?だっけ…?お前、立てねーの?」

「………」

気まずすぎて顔を下におろす

「はぁー、めんどくせーやつ」

と言いながら華苗は何かをとりだした

「ちょっとしみるぞー。まあ、男ならこれぐらい我慢しろ」

「……っ!!」

消毒液だ!いてー、しみるー!

気づけば手当は終わっていた

チラッと横を見ると蓮夜も未雪?ってやつに手当を受けてた

そーゆうところは女なんだなーって思った

「まー、あとは仲間に助けを呼ぶなりなんなりしろ」

じゃぁなと言いながらバイクにまたがる

「あ、ちょっとまて!」

気づけばとめていた

なんでだろうな、お前が気になってしょうがない

「あ?」

超絶不機嫌そうな華苗、それでも待ってくれてる

「あ、あのさ、明日学校くるだろ?お前、気に入った。もっと話がしてー」

うわー、恥ずかしっっ!

「……ふっ。なんだそんなことか、多分いくぞ?弱いくせに話がしてー?生意気だな」

って言いながらも微笑んでいる。

な、なんだこの気持ち。胸が苦しくなるような…

華苗たちがいなくなったあと、俺はテンションが高かった

「…星河…お前、きもいぞ?」

とか言ってる蓮夜も十分きもいぐらいニヤけてる



この日俺らは初めて゛恋゛というものを知ったのだった
ーーーーピピピピッ

「…んー」
重いまぶたをあげ、周りを見渡す

あー、そうか、もう病院じゃないんだっけな

今、未雪と2人で住んでいる

あー、学校だ…今何時だ?

…9時半か…

あー、めんどくせぇ

休もっかな…

でもなぜかあいつの言葉が脳内をよこぎる

「……まぁー行くか」

着替えてリビングに行くと未雪が朝食をとっていた

「あー、おはよぉー、華苗の分も作ったよ?食べなよー」

「おー、ありがとな、」

そのまま朝食をすまし家を出たのは10時

未雪とバイクにまたがる

「…めんどくない?お昼から学校いこーよー」

「うん、めんどい。そーしよ」

その後はテキトーにふらふらして、気づけば12時


「そろそろ行くか」
「だね」

そのままバイクを走らせ学校についた

教室のドアを開けると視線がいっきに注がれる

その視線を無視し、自分の席につくと

「おはよぉ!今日遅いね?どーしたの?」

銀河が近寄ってくる

「…ダルかっただけ」

テキトーに答え視線を星河にむける

すると星河が微笑んで

「おはよ」

とつぶやいた

…っ!なんだよこの気持ち…今絶対顔赤い。
胸がギュッで締め付けられる感じ…

いや、ありえねぇ、うちは誰も好きにならない

そう決めたから……
ーーーー放課後

「華苗、ちょっといいか?」

星河が話しかけて来た

「…ああ」

なんだ?めんどくせぇな。と思ったけどそのまま星河について行った

屋上まで来るとドアの鍵がしまってる

「…チッ、閉まってるのかよ」

「壊せばよくね?」

こんなドア一瞬で壊せるくね?

「このドアめっちゃがんじょうなんだよ、男の俺でも無理」

「ふーん」

と言いながらも

ーーーーバーンッ

1発の軽めの蹴りで余裕で壊した

「…!まじかよ…」

「え、これでがんじょう?こんなんも壊せないの?弱いな」

「うっせーよ、お前がつえーんだよ」

うぅ…なんかこいつといると調子狂う

なんなんだ?まだこいつに会って数日だぞ?

なんて1人で考えてると

「…華苗。」

真剣な顔で星河がこっちを見ている

「ん?」

その直後

ーーーードンッ

それはいわゆる壁ドン状態

「…っ!」

顔近いし!

あ、まじかで見ると、めっちゃイケメン…そんなことどーでもいい!

この状況を何とかしないと!

「え?何?」

今はそう喋るのが精一杯

「会って数日で言うのもなんだけどさ、俺、お前といると落ち着くんだよな

すげーお前を追いかけたくなって、気づけばずっと見てた

あの日お前が俺らの前に現れた時、あー、お前だって思った。


俺の方が弱いかもしれねー、けどよ、初めて守りてーって思ったんだよ」


喋りたいけど喋れない

喋ったら認めてしまいそうだから



星河が好きだって

まだ星河のこと何もしらない

けど、なぜか隣にいたいと思ってしまう


それっておかしいことなのか?

人を好きになる時って何かあるんじゃないのか?

優しくされたとか、助けてくれたとか、長い月日がたってだんだん好きになるとか…

けどうちはどれも当てはまらない…なのにどうして?


「俺の隣で笑っててくれねーか?そんで、俺の女になってくれ」

今にもくっつきそうな顔の近さにたえきれず、顔をそらす

「…気持ちは嬉しい。うちも同じこと思ってた。
けど、それが恋愛感情なのかは分からない

それに、うちを好きになって後悔するのは、お前だ」

「…後悔?そんなんしねーよ」


「うちの何を知ってる?なんも知らないじゃん。それなのに言いきれるの?」

「これから知ればいい。お前が話したくなったらでいい。それまで、いくらでも待つ。

それぐらい好きなんだよ。返事はOKしかきかない。だからそれまで何回でも告白する。

それでも、嫌だって言うなら、お前を気づつけたくないから黙って引くよ」

引くって言葉をきいて心のどこかがチクリといたんだ

「……いつその返事を返せるか分からない。もしかしたら一生返せなくなるかもしれない」

「…?」

星河のそでをギュッと掴んで、

「でも、離れてかないで?」

それが、今うちの言える最大限

「…っ!お前…誘ってんのかよ…。可愛いすぎかよ(ボソッ」

「誘ってねーし」


いつか話せる時が来るまで待っててね
【乃々花side】

今日は朝早く起きれた

なんでだろう?

まぁーいいや。そのまま着替えてバイクにまたがり学校に直行


学校について教室に入ると

「おー、乃々花!おはよー」

「亜依、おはよー!はやいね」

「なんか今日はやく起きちゃってねー、乃々花もはやくね?」

「うちもはやく起きちゃって…うちらすごくね?」

「ほんとよ。以心伝心的な?」

ほんと亜依とは気が合う

チラッと窓から門をみると、バイクが数台入ってくる

あ、地龍だ

って、何考えてんだろ


地龍は1つ上の先輩。星夜の幹部。

入学式で体育館行くの迷ってたら、教えてくれたの

それが出会い。些細なことだけどそれで仲良くなって、今じゃ1番仲いい男友達…だと思ってる

なんで呼び捨てかって?それはね、最初は地龍さんって呼んでたけど、さん付け禁止って、言われて呼び捨てになったの

なんか特別みたいで嬉しいかも




放課後

2年の教室までダッシュ!

「華苗ー、未雪ー、倉庫行こー!」

ドアを開けると視線が…まぁーいっか!

あれ?教室に華苗の姿だけが見当たらない

星河さんもいない

「あー、乃々花。華苗なんか星河とどっか行ったから待っててー」

未雪が蓮夜さんと話してるのをやめ、うちの方に歩いてくる


「あー、りょーかい!じゃぁ亜依と教室で待ってるわー」


華苗どうしたのかな?って思いながらクルッと向きを変え廊下を歩きだした


教室に行くと亜依が出てきた

「亜依?どこ行くの?」

「今日日直でさー、担任に呼ばれてんのよ。職員室とかまじダリー」

ダリーとか言いながらも行く亜依は偉いと思う

「あー、おけ!じゃぁ教室で待ってるわー」

「先に華苗たちと倉庫行ってていいよ?」

「なんか華苗、星河さんとどっか行ったらしいから待ってるだよ」


「そーなん?なんかあったのかな?」

「分からんけど大丈夫でしょ!」

「そーだね!じゃぁ行ってきまする!」

「いってらー!」

亜依との長い話を終え教室に入り自分の席に座る

広い空間に1人でポツンと座っていると窓の外から楽しそうな下校途中の生徒の声

頭にあの時の記憶が蘇る…

考えただけでも吐き気がする

はぁ、はぁ

呼吸が荒くなる

大丈夫、落ち着け、

そう思うのに、あの日の記憶が消えない、どんどん鮮明に脳に浮かんでくる

助けて、助けて…



「乃々花ー、暇だと思って来てやった…乃々花?!」

「…じ、地龍…」

顔をあげると心配そうな地龍がいた

「どうした?!大丈夫か!?」

そうとう焦ってる

地龍を見たら安心して涙が出てきた

その直後

ーーーーギュッ

気づけば地龍の腕の中

「えっ?」
「辛いならいえよ。俺がそばにいてやるから。1人で苦しんで1人で泣くな。

乃々花が何を抱えてるのか知りたい。一緒に抱えていこ?」

「地龍…」

その後、地龍に話すことにした

あの日の出来事…

それにその後の地獄の日々を…