「子供の頃、毎日一緒にこの公園で遊んでたよね」
「懐かしい…私しょっちゅう転んで怪我して。その度にたっくんが家までおんぶしてくれたよね」
「そんなこともあったね。そう考えたら朱里って今も全然変わってないじゃん。相変わらずおっちょこちょいだし」
「返す言葉もございません…」
そんな会話をしながら公園内のブランコが目に入ったとき、ふと幼い日の記憶が蘇ってきた。
あれは…たしか年少さんくらいのときだったかな?
あのブランコに乗っていたとき、後ろからゆっくりたっくんが押してくれたっけ。
それで、そのとき後ろからたっくんに言われたんだ。
『あかりちゃん、おおきくなったらぼくのおよめさんになってくれる?』
突然の小さなプロポーズ。幼かった私は、たっくんの方に振り向いて笑顔でこう答えた。
『もちろん。だってあかりはたっくんがだいすきだもん』
あの時は、今みたいにドキドキしたりしなかったけど…それでもすごく嬉しかったのを今でも覚えてる。
あの頃、私にとってたっくんは隣の家に住んでる大好きな幼馴染みだった。
でも、今は違う。
今は…ずっとずっと、隣にいたい大切な人。