「はぁ…俺、何やってんのかな」
あれ以来、苦しくなるとあの河原に行くようになっていた。
家に帰ってしまえばすぐ隣に朱里がいる。
そう思うだけで…あの頃は辛かった。
「なにおまえ、また泣いてんの?」
後ろから聞こえてきたその声に首だけで振り向くと、そこにはまた自転車に乗った諒介さんがいて。
諒介さんはすぐに自転車から降りると、あの日と同じように俺の隣に腰掛けた。
「諒介さん…ううん、今日は泣いてないよ」
「は?なんで俺の名前知ってんだよ?さてはあれか?100点とっちゃう俺を尊敬して調べたのか?」
「え?いや…こないだくれた答案用紙に思いっきりクラスと名前書いてたから」
「アッハハハ…そういやそうか。やー、面白い」
そんなにお腹抱えて笑うようなこと?
やっぱり変な人。