「私ね、拓海くんの彼女になりたいの」
「…うん、いいよ」
それからの俺は朱里への想いを断ち切るように色んな女と付き合った。
「拓海くん、キス…して?」
「うん…」
だけどどの子と付き合ったって、朱里への想いは消えてくれない。
他の子といたって全然ドキドキしないし、一緒にいても楽しくない。
そんなんだから誰と付き合っても長続きなんてしなかった。
それでも別れたそばから次々に女が寄ってくる。
俺は…それを全て受け入れた。
そうしていれば、いつか俺も朱里をただの幼馴染みとして見れるようになると思っていたから。
だけど皮肉なことに他の女を知れば知るほど、朱里以上の女の子はいないんだと思い知らされるばかりだった。