たっくんがあんな調子なのは昔からだったりする。



子供の頃、引っ込み思案でイジメられることが多かった私は、幼稚園の頃はいつもたっくんの後ろに隠れるように歩いていた。


あの頃の私は、いつでもたっくんを追い掛けてたっけ。


それが小学生になり少しずつ友達もできてイジメられることもなくなると、たっくんからちょっとずつ離れていった。


その辺りからだったかな?


少しずつ離れて行く私を、今度は逆にたっくんが追い掛けるようになったのは。


その頃は、いつも私の後ろをたっくんが追い掛けてた。



それでも中学一年生と二年生の二年間だけはお互い関わることも少なかった。


キッカケは中学に入学して暫くした頃、たっくんを好きだという女の子達から目を付けられた事。


いつもたっくんと一緒にいる私が目障りだという類いのことを言われたのだ。


まぁ、そんなの女子にはよくあること。


特に気にはしていなかったけれど、ちょうど私もたっくんの近くにいるのを戸惑っていた時期だったこともあり少し距離を取った。



その理由は、たっくんの急激な変化。


“小さな可愛い男の子”から“大人びたかっこいい男の子”への変化に私自身ついていけなかったのかもしれない。


どんなに距離を取っても追い掛けてくるたっくんに私はこう告げた。




『たっくん、いつまでも私の心配しなくていいから。視野を広げて色んな女の子を見ないともったいないよ』




それからのたっくんは、彼女を作り別れたと噂が流れても次の日には別の女の子と付き合ってたりして。


そんな感じで色んな女の子と付き合い始めたたっくんから私はますます距離を取った。


別に喧嘩したわけでも気まずいわけでもないから話さないわけじゃないけれど、その頃は挨拶を交わしたり軽く世間話をしたりとその程度だった。