「たっくん、どうしたの?」
「俺、朱里のことが…、」
バタバタバタッ───
「「「「たっだいまー!!」」」」
「あれ?オジさんオバさんにお父さんお母さん、もう帰ってきたの?随分早いね」
うわ、マジかー……このタイミングで帰宅?
想いを伝えられそうだったのに。
「4人で飲みながら年頃のあんた達を二人にさせて大丈夫かしらって話になってねぇ」
「そうそう。それで面白そうだからみんなで賭けして早めに帰ってきたの」
「賭け…?なんの?」
意味が分からないと言いたげに首を傾げる朱里に、タイミングの悪い親達はニヤニヤ笑う。
「私達母親組は拓海がついに爆発して朱里ちゃんに手出してる方に賭けたの」
「で、俺たち父親組は拓海が頑張って抑えて我慢してる方に賭けたってわけだけど…俺達の勝ちかな?」
「拓海っ!あんた男らしくないわね。さっさとキメなさいよ」
はぁ……キメようとしたとこで帰ってきたくせに。
まぁ、こんな感じでお互いの親にも俺の気持ちバレちゃってるほど俺は昔から朱里に一直線なわけだけど。