「夜メールしなかったのは、すると会いたくなっちゃうから。会いたいって言うときっと朱里は起きて待っててくれるんだろうけど、昔から寝不足が続くと朱里は熱出しちゃうしって思ってメール我慢してたんだよ。って、起きたらちゃんと伝えないと」
たっくんがこのタイミングでバイトを始めたのは、卒業後私と一緒に暮らすため。
親に頼らず自分の力で生活できるように毎日必死に働いてたんだ。
メールしなかったのだって、私のため。
全部、全部…私のためだったんだ。
やっぱり、たっくんの行動の先は必ず私に繋がってる。
自惚れでも思い込みでもない。
だってね、私の行動の先も…全部、たっくんに繋がっているのだから。
毎日たっくんの帰りを遅くまで待っていた結果、寝不足になって熱出しちゃってるのが何よりの証拠。
いつも待ってる途中で寝ちゃうけど…一緒に暮らし始めたらちゃんと起きて待っていられるかなぁ。
「朱里…愛してる。まだまだ愛しちゃいそうなんだけど、いい?」
「………いいよ」
「起きてたの?」
「ウトウトはしてたんだけどね。隣でそんなに愛を囁かれたら寝れません…」
「一緒に暮らし始めたらこんなもんじゃないよ?それでも一緒に未来を歩いてくれる?」
「うんっ」
「約束…」
ねぇ、たっくん。
絡め合った小指からだって、愛を感じることができるよ。
こんなに深く私を愛してくれる人、
そして私がこんなに深く愛せる人、
それは、この世でたっくんしかいない。
だから私は、
たっくんと一緒に未来を歩いて行く─────