「今はダメだよ…風邪が移っちゃう…」
「いいよ。そしたら朱里に看病してもらう口実で、また一緒にいられるから」
「で、でも…」
「熱上がるといけないから、もう黙って…」
そのまま甘くて深いキスを落とされると、全身がますます熱くなった気がした。
唇が離れると、たっくんは額同士をコツン、と合わせてくる。
「ん?まだかなり熱ありそうだね」
「たっくんへの熱は一生下がりそうにないです…」
「またそんな可愛いことを…これだから離したくなくなるんだよなー」
「んー…?」
たっくんが何か言っているような気はするけれど…
さっき飲んだ薬が効いてきたのか、少し眠気を感じる。
「眠い?しっかり寝て、早く元気になってね」
「うん…」
「元気になったら一緒にオジさん達に話そうね」
「そうする…」
「よし、じゃあもう寝て」
「…」
「え?相変わらず寝るの早っ」
ウトウトしながらも伝わってくるのは、たっくんの手の温もり。
そして聞こえてくる、愛しい人の優しくて甘い声。