部屋に入るなり、電気を付けることもせずドサッとべッドに横たわる。

見上げた先にある天井は真っ黒で…途端に罪悪感に苛まれた。



「たっくんに………嘘ついちゃった」



せっかく一緒にご飯食べようって誘ってくれたのに嘘ついて逃げるなんて最低だ。

罪悪感が涙となる。それが一粒零れてしまうと止まることなく流れ続けた。


後悔したって、もう遅い。

先輩と映画なんて観たから…

先輩にスイーツ奢ってもらったりしたから…

私がすぐ転けそうになっちゃうから…



「バカ…全部自分のせいじゃん…」



静かな部屋で小さく小さくそう呟いた時だった。

ガチャガチャッと玄関の鍵を開ける音が聞こえたのを皮切りに、

扉を開ける音、階段を上る音、私の部屋のドアを開ける音。

そんな音達がすごい勢いで聞こえてきて…



「朱里?」



暗闇の中、最後に聞こえてきたのは聞き慣れたたっくんの声だった。

そうだ…何かあったときの為にうちの合鍵、たっくんの家にも預けてたんだっけ。

やっぱりどうやったって、たっくんからは逃げられないんだね。




「電気も付けずにどうしたの」



そう言ってたっくんが部屋の電気をつけると、慌ててタオルケットにくるまった。




「朱里…泣くほど体調悪い?大丈夫?」




心配そうなたっくんの声に…また胸がキュッとなる。