放課後ちゃんと自分の気持ちを話そうとか、バイト頑張れって応援しようとか。
そう思ってたんだけど…
「はい、あーん」
「あ…あーん」
現在たっくんのお部屋で甘やかされ中の私は、おうちデートすると甘い雰囲気全開になることをすっかり忘れてた。
「美味しい?」
「うん、これ大好き」
ハシャぐ私にクスッと笑ったたっくんは、別のお菓子の封もどんどん開けていく。
そして、それらも何の迷いもなく次々と私の口元に運んでくるから、口の中には常にお菓子が入ってる。
話したいけど…でもこの甘い時間も大事にしたい。
どっちみち今は口の中お菓子でいっぱいだし、食べてからでもいいかな。
「もう一口。あーん」
「たっくん…こんなに食べたら私太っちゃうよ?」
「朱里は元が細いから太ったって問題ないよ。それに俺、朱里が美味しそうに食べる顔大好きだからもっと見たい」
「じゃあ、たっくんも一緒に食べよ?どれにする?」
たっくんってば、さっきから嬉しそうに私に食べさせてくれるばかりで自分は全然食べてないんだもん。
一緒に食べたら、もっと美味しいはずだよね。