「ね?そんなこと無意味だって分かったでしょ?分かったら元気出せー!」

「うん…そうだね。元気出さなきゃ」




ユメちゃんはすごい。

いつだって私を前向きにしてくれるから。




「それに、拓海くんがバイトするのは絶対朱里のためじゃん」

「私の、ため…?」

「そうだよ。だって拓海くんの行動って、いつもその先は朱里に繋がってるんだから。寂しい思いさせることも、ちゃんと分かってるはずだよ」



たっくんの行動のその先は、私に繋がっている。

ユメちゃんの言う通りだと思った。

だって、たっくんはいつだって私のことを一番に考えてくれるから。

何より大切にしてくれるし、誰より愛してくれる。


卒業して離れるのだって、たっくんが何も考えてないはずないのに。

それなのに、私はこんな風にいじけて落ち込んで…

どこまで子供なんだろう。




「寂しいのも分かるけど、二人の未来のためだと思ってさ、しっかり拓海くんの応援してあげなよ」

「そうだね。ありがとう、ユメちゃん」




ああ、またユメちゃんに救われた。

今日の放課後、たっくんと話そう。

離れることの不安とか、寂しい気持ちとか、素直に伝えて…

だけど、たっくんが決めたこと、応援したいから。

だから…バイト頑張れって笑顔で言おう。