それから、どのくらい泣いていたのだろう。
涙が乾いた頃、たっくんは抱きしめていた腕を緩めて私の顔を覗き込んだ。
「朱里、眠くない?」
「かなり眠い、かも」
だって、あんまり寝てないままキャンプ来ちゃったし。
たくさんハシャいで、たくさん泳いで、たくさん泣いてクタクタ。
「朱里に一つだけ話したいことがあるんだけど」
「ん?なに?」
「俺さ、マサトとずっと友達でいるつもりだから同情したり気を遣ったりしたくないんだよね。俺達がよそよそしくなるとマサトも気を遣うだろうし。想いを伝えたこと後悔してほしくないって思うから」
たっくんの言葉に深く頷いた。
そうだよね。
今、こうやってたっくんと一緒にいることに少し負い目を感じていたけれど…
それは、真っ直ぐに気持ちを伝えてくれたマサトくんに失礼だ。
「だからさ、これからも変わらずバカップル全開で行きたいんだけど…どう思う?」
「うん。私もそうしたい」
「じゃあ決まりね」
時が流れるように、季節が巡るように、
人の気持ちも変わってしまうものだけど。
私達は…どれだけ時が流れたって、
何度季節が巡ったって、
これから先もずっと変わらずこのままでいたい。