「マサトくん、こんにちは。一人?」
「あ…はい」
「そうなんだ。友達はできた?」
「ずっと家にこもってたから人との関わり方忘れちゃって…なかなか友達できないんです」
「そっか。焦らなくてもゆっくりで大丈夫だよ」
「はい…ありがとうございます」
焦ることはないけど、マサトくん…お昼休みに一人なんて寂しいよね。
せっかく頑張って前に進もうとしてるんだもん。
高校生活、楽しいって思ってほしい。
学校に友達がいれば少しは楽しいって思ってくれるかな。
たっくんと私、あとユメちゃんとリュウジくんもきっと仲良くしてくれるはずだから。
これで友達4人だもんね。
「マサトくん、隣座って?おむすびいっぱいあるから一緒に食べようよ」
「え?でも…」
「友達なんだから遠慮はナシだよ。もうすぐ私の友達も来るから紹介するね。明るい子だからすぐに仲良くなれるよ」
「はぁ…」
「はい、どうぞ」
マサトくんは少し戸惑いながらも私の隣に座り、小さくお礼を言っておむすびを受け取ってくれた。
「すっごく美味しいです」
「でしょ?うちのお母さん、お料理上手なんだよ」
「そうなんですか。いいですね」
マサトくんって笑うとシュウくんによく似てると思った。シュウくんと一緒で、すごく優しく笑う人だから。