周りに見せつける意味も込めて手を繋ぎながら学校に向かう。

朱里に見とれる新入生達は容赦なく威嚇しておいた。視界に朱里を入れることすら許せないから。

そんな俺に気付くことなく、朱里はふんわりとした笑顔でこちらを見上げてくる。



「あのね、昨日寝る前に“たっくんと同じクラスになれますように”ってお星様にお願いしたんだよ」




ヤバイ…何この子、かっわいい!!

この可愛さにはお星様もイチコロなはず。

お星様が味方についてくれたなら今年は同じクラスで決定だろうし、また毎回朱里の隣の席になるように仕組んじゃおっと。


ワクワクした気持ちを抑えつつ、朱里と共にクラス分けの紙が貼られている掲示板の前に行く。

朱里は必死にその紙を眺めては、名前を探すために一生懸命目で追って。




「わぁ…たっくん、同じクラスだよ!」

「ほんとだ。嬉しいな」




一方で俺は、平静を装っていた。

いや、心の中ではもちろんガッツポーズしたけどね。

お星様…感謝します。

朱里と同じクラスになれました。



お星様に感謝しつつ高校最後の一年間が薔薇色になることが決定して密かに喜んでいた時、後ろから静かに肩を叩かれた。

振り向いた先にいたのは…マサトだった。