「朱里、桜の花びら付いてるよ」
「え?どこ?取って?」
なーんて、本当は付いてないんだけどね。
怪しまれないように朱里の髪に触れて、あたかも花びらを取るような素振りをしておいた。
「朱里、今日も俺のこと好き?俺は大好き」
「へっ…?」
綺麗な髪に触れながら不意に言った言葉は、朱里にとって予想もしていなかった言葉らしい。
その証拠に朱里の顔は真っ赤っか。
うん、いい反応だ。これで完璧。
俺に顔を赤くした朱里を見て、その天使さに心を奪われていた男達はガックリと肩を落としていく。
それを見て俺は大満足。
よしよし。
こうやって早い内から排除しとかないとな。
これでとりあえず第一関門は突破。
あとは学校で初めて朱里を見る新入生も同じように排除していけばOK。
それから…一番の問題は同じクラスになれるかどうかだ。
同じクラスにさえなれれば、俺の一日はほぼ朱里でいっぱいになるから。
そうなれば薔薇色ってわけ。