昨日、新入生は入学式だった。
そして俺達は今日から新学期が始まる。
だから、いつもの見慣れた通学路には見慣れない新入生達の姿がチラホラあるけど、それはどうでもいい。
問題なのはその新入生達が、さっきまで無邪気に桜で遊んでいた朱里を見ながら頬を赤く染めている、ということだ。
はぁ…やっぱりか。
そりゃあそうだよね。
こーんな可愛い子がいたら、天使が舞い降りたのかと思っちゃうよね。
だけど鈍感な朱里は、そんな男達の熱い視線に気付くはずもなく呑気にスキップを続けている。
朱里はそのままでいい。
こんな時のために、昔から俺が近くにいるんだから。
ちょっと見せつけといてやろっと。