さっきから嬉しそうに食べてくれてるけど、味はどうなんだろう。
自分用に小さいのを焼いて味見もして、私的にはすごく美味しくできたんだけど…
たっくんも美味しいと思ってくれてるかな?
「あの…美味しい、かな…?」
不安になって聞いてみたものの、たっくんは何も言わずに首を傾げてる。
「え?もしかして…美味しくなかった…?ごめんね、無理しなくても大丈夫だよ」
人それぞれ味覚は違うわけだし、たっくんの口には合わなかったのかもしれない。
優しいたっくんのことだから、私を傷つけないように無理して食べてくれたんだろう。
そんなことを考えていると、たっくんは首を横に振りながらどんどん顔を近付けてくる。
あまりにも近いその距離に戸惑って膝に乗ったまま軽く後退りしたけれど、やっぱり逃がすまいと引き寄せられた。
そのまま吸い込まれるように唇が重なると…
その瞬間、口の中いっぱいに甘い味が広がった。
あ…今日は、チョコレート味のキス。