「ガトーショコラは食べたらなくなるけど、お手紙は一生残るでしょ?」

「うん。朱里からの手紙、嬉しすぎるから額に入れて飾ってもいい?」

「そんな恥ずかしいことしちゃ絶対ダメっ!」

「えー…じゃあさ、俺をたくさん甘やかしながらガトーショコラ食べさせてよ」

「たっくんを甘やかす…?」

「だって今日はバレンタインなんだから…いいよね?」

「わっ…!」



私の腰に手を回したたっくんはヒョイッと私を持ち上げると、また一瞬の内にたっくんの膝の上に乗せる。

たっくんはこの体勢がすごく好きみたいなんだけど…

私は未だに全然慣れない。



「ほら、いっぱい甘やかして?」

「うっ…」




たっくんは笑顔で期待しているけど、甘やかすってどうすればいいの…?

いつも甘やかされる側の私には分からない。

とりあえず、や、やってみよう…