「ヤキモチ妬かせちゃってごめんね?私、そんなつもりじゃなかったの…」
「反省してる?」
「うん。してる…」
「じゃあ許してあげるから…早く特別なのちょうだい?」
私がギュッと両手に持った箱を指差しながら眩しい笑顔を向けられると、思わず差し出してしまった。
本当はもっと甘い雰囲気で渡そうと思ってたのに、そのキラキラ笑顔は反則だよ。
手が勝手に動いちゃった…
「あのね、今年は一人で作ったよ」
「本当?すごいね。楽しみだな」
私の手から箱を受け取って中身を見たたっくんは、嬉しそうに笑う。
今年はハート型のガトーショコラを作ったんだ。
やっぱり好きな人にはハート型がいいから。
「どうしよ?勿体なくて食べられない」
「フフッ、絶対そう言うと思った。だからもう一つ…これもあげる」
「手紙?」
「うん」
たっくんにお手紙書くのなんて小学生のとき以来だからすごくドキドキした。
内容はバカップル全開の恥ずかし~いものなんだけどね。