ワクワクしながらたっくんの部屋に行くと、何故かたっくんは大量のチョコを机に並べて嬉しそうに笑っていた。



「たっくん、ご機嫌だね。なにしてるの?」

「ん?昨日学校でバレンタインこんなにたくさん貰ったから嬉しくて見てただけだよ」

「え…?」




デスクチェアに座るたっくんはクルッとこちらに向き、笑顔でそんなことを言う。

もちろん私の胸中は穏やかではない。

なんで…?

他の女の子から貰ったもの、そんなに嬉しそうに眺めるなんて酷いよ。

ショックで俯いてしまうと、たっくんはすぐに私の顔を覗き込んだ。




「朱里どうしたの?まさか妬いてる?」

「そ、そりゃ……妬く、よ…」

「ふーん。そうなんだぁ」




たっくん…私、悲しいんだよ?

なのになんでそんなに嬉しそうに笑うの?




「でもさ、これ全部友チョコだよ。だから平気でしょ?」

「たとえ友チョコだって…」



ん……?

あれ?友チョコは友達にあげるものだから嫉妬なんてしないはずなのに。

でも、そんなに嬉しそうなたっくん見ちゃったら…ヤキモチ妬くよ。

もしかしてたっくんも同じ気持ちだったのかな?