「凛ちゃん、友チョコってすっごく嬉しいね」

「ですよねぇ。ところで朱里さん、凜以外にも誰かに友チョコあげましたかぁ?」

「うん。子供達のおやつの時間に出したのと…あと、たっくんの友達にもあげたらすごく喜んでくれたよ」

「そーなんですかぁ…それってマズくないですかぁ?」

「え?味見したけど美味しかったよ」

「朱里さぁん…天然は罪ですよぉ?拓海先輩ってめちゃくちゃ嫉妬深そうなのにぃ」




嫉妬……?
なんで?友チョコは友達にあげるものだから嫉妬なんてするはずないのに。




「ほんとに凜知~らない。朱里さぁん、じゃあまた学校でぇ」

「あかりちゃーん、バイバーイ」

「バッバーイ!」

「あ、うん。バイバイ」



帰っていく3人の背中を見ながら暫く考えてみたけれど…結局凜ちゃんが言った言葉の意味はよく分からないまま。


………見えなくなっちゃった。

どういうことだったんだろう?



初めての友チョコ…海斗くんも沙羅ちゃんも美味しそうにたくさん食べてくれたんだ。

それに、シュウくんとハルくんだって喜んでくれたし。

だからどう考えたって…やっぱりマズくはないよ、うん!



自分の中で勝手にそう結論づけた私は初めての友チョコが好評だったことが嬉しくて上機嫌にたっくんの元へ向かう。

手にはしっかりバレンタインのプレゼント。

たっくんへのバレンタイン、すごく上手にできたんだ。

だから…どんな反応するのか楽しみ。