そんな甘過ぎる時間を過ごし、暫く二人だけの世界に浸っていた。
すっごく今更だけど…膝の上に乗るのってかなり恥ずかしいかも。
子供の頃、甘えたくなったらよくお父さんの膝に乗ってたけどそれとは全く別物だし。
「そろそろ降りてもいい…?」
「ダーメ。全然甘やかし足りないから今度はこっち向いてもらおうかな」
膝から降りることは許さないと言わんばかりに後ろから軽々持ち上げられた私は、たっくんと向かい合うように座らされる。
優しく髪を撫でられて、頬をツンツンされて、額にキスを落とされて。
どうやら、まだまだ私を甘やかすつもりらしい。
「朱里」
「ん?なに?」
「ケーキ味のキス、しよっか」
「えっ?」
耳元で甘く囁かれると、胸がトクンと音を鳴らして跳ねた。
たっくんの左手はいつのまにか私の背中に回されていて、右手は私の唇をゆっくりなぞる。
超至近距離にいるたっくんが目を閉じながらもっともっと近付いてくるから…
私も同じように目を閉じた。