「じゃあ、俺帰るけど…マサトに宿題。今日こそはノート見といてよ。それで、解けそうな問題はやっといてね」
「…」
「言っとくけど、もし宿題やってなかったら明日こそは力づくで外に出すつもりだから」
「…っ!!」
NGワードだと思われるその言葉を投げつければ、やっぱり肩がビクッと揺れる。
「じゃあ明日会えるの楽しみにしてるね」
「…」
怖がらせる気なんてない。
俺は、ただ向き合いたいだけ。
一体何にそんなに怯えてるのか、
なにがマサトをそうさせているのか。
ただ、それが知りたいだけなんだ。
マサトがちゃんと言う通りに宿題をしてくれたら…きっと向き合う方法が分かるはずだから。
だから、とにかくマサトがノートを見てくれるように、と願って家を後にした。