「ほら、早く着替えて」
「だから行かな…」
「俺は力づくでも外に出すつもりだけどね」
「…それが偽善者の本性か。なにが味方だよっ…!」
「本性もなにも俺は偽善者じゃないよ。家に閉じこもってばかりのマサトを外へ出すのなんか目瞑ってたってできるけど…してみよっか?」
「…っっ」
怯えたように体を震わせたマサトは、俯いて何も言わなくなってしまった。
そのままベッドに横になり、俺に背を向けて。
そんな風に完全に俺をシャットアウトするマサトに小さくため息が漏れた。
ちょっといつもと接し方を変えて強引な感じにしてみたんだけど…これもダメかな。
うーん…やっぱり手強い。