「明日は少し接し方を変えてみようかな」

「うん、頑張ってね」

「頑張るから…キス、させてくれる?」

「えっ…今日も?」

「うん、今日も」



1時間キスの刑が下されたあの日から、たっくんはいつも以上にキスをしたがるようになった。

甘くて優しいキスが、最近は度々激しさを含んだものになったりすることもあって…

そんなキスにどう応えればいいのか分からない私は、いつも目を固く閉じて体中を強張らせて。

そんな風にガチガチになって受け入れながらも、不思議と前みたいな怖さは感じなくなっていた。

つい体が強張ってしまうのも、キスが嫌なわけじゃなくて…慣れないことに緊張してるだけ。



たっくんがバイトを始めてからというもの、少し離れてるだけなのにどうしようもなく寂しいと思ってしまう私がいた。

だから、今の私はたくさんキスできるこの時間が最高に幸せなんだ。

勝手な憶測だけど、もしかしたらたっくんも私と同じ気持ちだからこんなにたくさんキスしたがるのかな、なんて時々思うことがある。

もしもそうだとしたら…また、以心伝心だね。