「さっきもかなり手際よかったですけど、その道を目指すくらい料理が好きなんですね」
「いや、別に好きじゃないけど小春がすげーよく食う女でさ。これがまたうまそうに食うんだよ。だから俺が作った料理でそういう顔させてやりたいなって思っただけ」
「すごい…先輩って本当に小春さんが好きなんですね」
「好きなんてもんじゃないよ。愛しちゃってるから」
添い寝してなんて軽々しく言いながらも、やっぱりすごく一途な人だと思った。
たっくんが先輩を尊敬する気持ちも分かるかも。
「小春…おまえは俺と寝てくれるよな?」
「ニャア」
「んー、小春……」
優しい顔で小春を抱きしめる先輩を見て思った。
ペットに好きな人の名前付けるなんて、よっぽど好きな証拠だよね。
長年片想いを続けるのってかなり辛くて苦しいはずなのに…
それでも想いを貫くこの人は、強い。