カラカラ─────……
窓を開けると、いつものように向かいの窓は既に開いている。
そして、その窓のところで頬杖を付きながらこちらを見ているのは、ストーカー……
ではなく、いつものようにニコニコと爽やかな笑顔の彼。
「朱里、今は何時?」
「え?えっと…18時20分、だよ」
「門限は18時のはずだけど?」
「前も言ったと思うけど…お母さんが高校生になったからって19時にしてくれたんだよ?」
「ダーメ。俺が18時って決めたんだから。で?どこで誰と何してたの?」
笑顔で追及されるのも毎日のことでもう慣れた。
彼の名前は芹沢 拓海(せりざわ たくみ)。
私、佐伯 朱里(さえき あかり)の隣のお家に住む幼馴染み。
もう一度言おう。彼はただの幼馴染みなのだ。
決して彼氏ではない。