「拓海、朱里ちゃん、じゃあ行ってくるよ」

「お土産いーっぱい買ってくるからな~」



いつも通り落ち着いたオジさんと、テンション高めなお父さん。



「たーくさんラブラブするのよ~」

「帰ってきたらたっぷり話聞かせてもらうからね」



そして、相変わらずなオバさんとお母さんはその日の夜揃って一週間の長旅へと……行ってしまった。


話聞かせてもらうのは留守番する私達のはずだよね…?

それに、今日旅行行くって聞かされて今日出発ってどういうこと?


急激に物事が進みすぎて頭が付いていかずたっくんの家の玄関で呆然と立ち尽くすも、ドアが閉まるパタンッという音でハッと我に返る。



えっと…これからどうしよう。

とりあえず夜ご飯一緒に食べるよね。

なに作ろうかな、と隣にいるたっくんに目を向けると何故か私を見て笑っていた。




「え?なに?なんで笑うの?」

「いきなり旅行なんて言われたらびっくりだよね」

「うん。どうせ思いつきで急に決めたんだろうけど…あの4人いつも行き当たりばったりだし」




昔みんなで旅行に行ったときも計画性0だったの覚えるもん。

とにかく思いついたまま行動しちゃう人達だからなぁ…

それが楽しいのよ!ってお母さんはいつも言ってるけど。



「いや、今回は3ヶ月前くらいからコソコソうちで計画立ててたよ」

「そうなの?じゃあ珍しくしっかり計画立てて行ったんだ…ね?」



あれ?今なんかすごいこと言ったような?

え?え?3ヶ月前から計画ってまさか…