「誤解は解けた?セレブにお小遣いなんて貰ってないし小悪魔にも興味ないよ。俺は昔から朱里しか見てないんだから」

「うん、うんっ…」



止まらない朱里の涙を拭い、小さな体を抱きしめる。朱里は控えめに俺の背中に手を回して、Tシャツの裾をキュッとして…

こんな些細なことを俺はすごく幸せに思うんだ。

だって、人の心はお金じゃ買えないから。

いくら朱里貯金をしたって、この幸せは買えないから。

だから…大切にしたい。




昨日の夜も、夢を見てボロボロ泣く朱里の目元を拭い続けた。

それから手を握って、頭を撫でて。


『たっくん…他の人見ちゃヤダよ…』


泣きながらそう呟いた朱里が可愛すぎて、頬にキスを落とした。


『好き…ずっと一緒にいて…』


その寝言も可愛くて愛しくて好きすぎて。
眠る朱里の唇に何度も何度も触れたんだ。




「朱里、これからもたくさんデートしよ。朱里が貰った給料は自分が好きなものを買えばいいから」

「ううん、私も貯金する。そのお金を使っていつか旦那さんになったたっくんにうんと豪華なお料理を作るの。どうかなぁ?」




朱里分かってるのかな?

今、ベッドの上にいるってこと。

俺の胸に埋めてた顔を上げて可愛い笑顔でそんなことを言われたらさ。

さすがの俺でも理性飛んじゃいそうだけど…



「最高だね。楽しみにしてるよ、未来の奥さん」



昨日、内緒でたくさんキスしちゃったからなぁ…

今日は特別に我慢してあげる。

でも次はもうブレーキかけられないかもよ?




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