そんなやり取りを終え、ドッと疲れを感じながらみんなでお店の外に出る。
そこにはたっくんとリュウジくん、そして先に着替えを済ませた早川くんが待っていてくれた。
「みんな、お疲れ」
早川くんは笑顔で挨拶をするとユメちゃんと凜ちゃんの髪をクシャッとする。
そのまま私の頭に向かって伸びてきた早川くんの手は…たっくんによって阻止された。
「なに?佐伯にはお疲れの頭ポンポンダメな感じ?」
「もちろんダメな感じ。というか触れるの全般ダメ」
たっくんがキッパリ言えば、早川くんは悲しそうに笑う。
「俺はただバイト仲間として絆を深めたいだけなのに…佐伯、触ろうとしてごめんね?」
「えっ?いや私は別に…」
「マジでごめん……」
「あの、そんなに謝らなくても…」
早川くんは学校でも場の雰囲気を良くしようとする人だから悪気なんてないし。
きっとバイトしやすいようにみんなと仲良くしようとしてくれてるだけだもん。
「はぁ…これはダメだね。リュウジ、明日からクラスでこいつの行動見張って。で、なんかあったらすぐ俺にメールね」
「マジ…?またパシリかよ」
たっくんどうしたのかな?
今まで私が男子と関わったって特になにも言ってこなかったのに……
それに見張れだなんて、なんか変。