バイト初日終了。
クタクタ状態でユメちゃん、凜ちゃんと共に更衣室で着替えに取り掛かる。
なんというかもう…すみませんとしか言えない。
私、今日一日でお店のものどれだけ壊した?
こんな奴にお給料払わないといけないとか店長さんの心情は如何に…?
「あーあ。朱里さんのせいでいつもより疲れちゃったぁ」
「うっ…返す言葉もございません。凜ちゃん本当にごめんね。私、足手まといで…」
「ここまでドジな人初めてぇ。ウザイを通りすぎて逆にすごーい、みたいな?」
凜ちゃん、こんなこと言いながら私のミス全部カバーしてくれたし…すごくいい子なんだよね。
本当、申し訳ないのと同じくらい感謝でいっぱいだ。
「実はぁ…今日朱里さんのミスをカバーしてあげたのには理由があるんですぅ」
「理由?」
「朱里さんの彼氏のぉ…拓海先輩!もー超超超イケメンですよねぇ」
「…?うん、そうだね」
「だからぁ拓海先輩に凜は優しい女の子だって思われたいじゃないですかぁ」
2つに結んだ緩い巻き髪を指でクルクルしながら、ウフッと可愛く笑う凜ちゃん。
「だから…いい加減にしろっ!」
そんな凜ちゃんに突然ユメちゃんがチョップをかますから驚きのあまり目を大きく見開いてしまう。