「学校だと常におまえがベッタリだからバイトはいい考えだと思ったんだけど…ここまで追っ掛けて来ちゃうとは予想外だわ」
「そうそう。おまえみたいな変な奴に狙われないようにね。俺はどこまでも追っ掛けちゃうよ」
「あーウザすぎる彼氏でイラつく。ま、隙を狙って手出すかな」
「手出す隙なんて俺が1秒も与えないけどね」
「ヒュー。佐伯の唇はどんな味かなぁ~?意外と良い身体もしてるし~。味見しちゃおっかなぁ」
前の隠し撮り連中みたいにコソコソ朱里を想ってる奴ばっかりだと思ってたのに、こんなに挑発的な奴まで出てきたか。
朱里がこいつをいい奴だと思ってるのが厄介なんだよなぁ…
朱里は人を疑うことを知らないから。
「お待たせ。朱里皿洗い禁止令出たから連れて来たよ」
「うぅ…情けない。凜ちゃんに後片付けの仕事増やしちゃったぁ…」
ユメちゃんに連れられてきた朱里は涙目でシュンッと落ち込んだ顔をしていた。
その表情は、まるで叱られた子犬みたい。
どうして俺の彼女はこんなに可愛いんだろ?
もうやだ。こんなんだから他の男に狙われたりするんだよ。