ーーー翌日。

どうしても気になった私は、学校でユメちゃんに相談したんだけど…



「うーん…拓海くんくらいの人ならお小遣いくれる女の一人や二人いそうなもんだけどねぇ」

「そ、そんなっ…」



ユメちゃんはそんなことを軽く言ってのけるものだから少し眩暈がした。

まさかどこかのお金持ちのお姉さんに気に入られてお小遣いを…?




「なーんてのは冗談だけど…っておーい、朱里聞いてる?」

「セレブ…?御令嬢…?ブツブツ…」

「あちゃー…朱里は軽く妄想癖あるの忘れてた」




どうしよう…もしかして私とのデート代がたっくんの負担になってるんじゃ…

だからセレブな美人令嬢からお小遣いなんて貰ってるんだよ…!!(とんでもない勘違い)

これは絶対なんとかしなければ!!




「わ、私っ…バイトしたい!」

「えっ?それ本当?じゃあ私がバイトしてるファミレスでしない?」

「ユメちゃんがバイトしてるファミレス?」



ユメちゃんの話によれば、最近アルバイトが立て続けに辞めてしまい、店長さんが頭を悩ませているのだとか。

うーん、アルバイト初めてだしユメちゃんが一緒だと安心かも。



「なんなら新しいバイトが入るまでの短期でもいいからさ。一緒にしようよ。結構楽しいから」

「じゃあそうする!」

「よし、決まりね。あとさっきのは冗談だよ?拓海くんのことだからきっと朱里のためにコツコツ…」

「よしっ!頑張って働いてデート代稼がなきゃっ」

「聞いてね~…」



こうして波乱を巻き起こすことになるアルバイトを始めることに決めたのだった。