幼馴染みの頃は優しいたっくんしか知らなかった。

小さい頃から私がどんなに我儘言ったって、いつだってたっくんは笑って許してくれたから。

今まで喧嘩なんてしたこともなかったし、怒ったたっくんも見たことなんてなかったんだ。

だからバカって言われたのも言ったのも今日が初めて。



「明日からは誰にも邪魔されたくないからに決まってるじゃん」

「え…?」

「今日受け取らなかったら明日また邪魔されるかもしれないし。俺は朱里と一緒にいたいんだよ。だから誰にも邪魔されたくない」




そうだ……たっくんは昔からこういう人なんだ。

誰にでも優しいけれど、私には特別優しくしてくれる。

だから、私を悲しませるようなことは絶対しないって分かってるはずなのに。