「あれは私のお腹が鳴っちゃったのを聞いて、親切でくれただけだよ。それに上目遣いだなんて…」

「下から目だけ上に向けることを上目遣いって言うんだから正しく上目遣いだよね。それで可愛いとか言われてたじゃん。だから禁止してたのに」

「あれが上目遣いなの…?ごめんね…で、でもたっくんだってデザート受け取ったでしょ?」



私の行動に妬いたとか言いながら、たっくんだってしっかり受け取ってたもん。

あんな風にみんなから受け取っちゃったら明日も囲まれちゃうのに。

もう…そんなの見たくないよ。



たっくんは宥めるみたいに私の背中をポンポンッと叩く。そして、体を離すと私を真っ直ぐに見据えた。



「俺は今日だけって約束で受け取ったんだよ」

「今日、だけ…?」

「うん。断ったらじゃあまた今度とか言われたから。でもそれじゃキリないじゃん。だから今日だけは受け取るって一人に言ったらあっという間に噂が流れていっぱい貰っちゃった」

「そう…だったんだ」

「そう。でも嫌な思いさせたならごめんね」

「い、嫌だった…!今日だけだって嫌だよ、何で受け取っちゃうの?たっくんのバカッ!」