「…じゃあまた明日」
「あ、待っ…」
どこか気まずい空気の中、言葉を交わすこともなく家に辿り着いた。
いつもと違い、私の目を見ることなくたっくんが家に入れば、私はその背中を追い掛けるように一緒に家に入る。
たっくんの部屋に入り、パタンッとドアが閉まると暫く沈黙が流れた。
こんな空気初めてだ。怖いけど…ちゃんと話さなきゃ。
「た、たっくん……」
「………なに?」
「…ご…ごめんね、つまんないヤキモチ妬いちゃって食堂であんな態度…」
「ヤキモチ?なんの話?」
「あの…食堂にいるとき女の子がみんなたっくんを見てたり…、とか」
「うん」
「あと、あと…デザートたくさん受け取ってたり…、とか」
「うん」
「それが…嫌だったの。本当は受け取ってほしくなかった…」
「…」
たっくん、何も言わない……やっぱり重いって思われたかな。
そのくらいで妬くとか、面倒くさいって思ってるのかもしれない。
「ご、ごめ…私、重すぎだよね…」
その不安は心の中だけでは治まらず涙としてボロボロ流れた。