そう思った私は残りのチョコを鞄に適当に詰め込むと、すぐに教室を出た。




「もー…朱里のバカ」




教室を出た途端、聞こえてきたのは不満そうなたっくんのこんな声。

それはいつものニコニコ、キラキラなたっくんじゃなくて。その表情は…なんだか不機嫌そうに見えた。

たっくんにバカなんて初めて言われた…それに、なんか怒ってる?




「バカって…なんで?」

「分からない?無自覚爆弾投下したから」

「爆弾?なにそれ?」

「はぁ…もういいよ、帰ろ」

「…?うん」





帰り道、いつも私と歩幅を合わせてゆっくり歩いてくれるはずのたっくんは早足で先々と歩く。

もちろん私は必死に追い掛けるも全然追い付けない。


やっぱりたっくん食堂での私の態度に怒ってるんだ。ちゃんと謝らないと。