結局逃げたまま昼休みは終わり、午後は移動教室の授業が続いてたっくんに会わないまま放課後になった。



「私、今日は彼氏とデートなんだ。きっと拓海くん来るだろうから朱里は教室で待ってなよ」

「でも…」




あんな態度取っておいてたっくんに合わせる顔なんてない、と悩んで俯く私を励ますようにユメちゃんが肩をポンッと叩く。



「平気平気。誰だって彼氏が女に囲まれてたらムカついちゃうもん。私ならバカヤローってなって彼氏殴っちゃうかも」

「ほんとに?でも私、あんな態度とっちゃって最低だよね…」

「ぜーんぜん!寧ろ普通だから気にしなくてよし!じゃ、私はデートしてくるからあんた達はしっかり仲直りするように」



バイバーイ、と笑顔で大きく手を振るユメちゃんにすごく救われた気がした。

ユメちゃんはいつだって私に大切なことを教えてくれる大事な大事な存在なんだ。



つまらないことでヤキモチ妬いちゃったこと、たっくんに謝りたい。

待ってるばかりじゃなくて、ちゃんと自分から行こう。


そう決意して荷物を鞄に纏めていると、お腹がグゥ~ッと…しかも結構な大音量で。

お昼ご飯を抜いてしまったとはいえ、こんな時になんて緊張感のないお腹なんだろうか、と我ながら思う。

……は、恥ずかしい。