お昼を食べ終わった頃、先輩と別れたたっくんは席を立ち、キョロキョロし始める。
すると、何秒も経っていない内にすぐに目が合ってこちらに向かってきた。
いつだってすぐに見つけてくれて嬉しいのに…今日は複雑だ。
「朱里、やっと見つけた。休憩時間行けなくてごめんね」
「…別にいいよ。どうせ女の子と一緒にいたんでしょ?」
たっくんはいつも通り優しく笑ってくれるのに、私はこんな態度しか取れないなんて本当可愛くない。
「どうしたの?なんか怒ってる?」
嫌われたくないのに、
ウザイって思われたくないのに。
でも…心のモヤモヤが消えてくれないの。
「…ごめん、ユメちゃん。私お昼いらない」
「えっ!?ちょっと…朱里っ!」