「朱里、高校どこ行くか決めた?」
「私は桜高校だよ」
「桜か…じゃあ俺もそこにする」
「え?たっくん頭いいんだからもっとレベルの高い高校行けるはずだよ」
「いいの。俺がそこに行きたいんだから」
もちろん高校だって朱里に合わせて決めた。
桜高校は諒介さんもいるし、リュウジも行くし。
楽しいのが一番の俺はレベルなんてどうでも良かった。
好きな子がいて、尊敬する先輩がいて、一緒にバカやれる親友がいて…想像するだけで楽しいじゃん。
俺にはそれで充分。
そもそも勉強や運動ができるのだって朱里にすごいって思ってほしいから。
だから人一倍努力して頑張って……
全ては朱里に見てもらうため。
すごいって、かっこいいって思ってもらうため。
もう俺の人生の全ては朱里を中心に回っていた。