いつまでも泣き続ける私に、たっくんはブランコを押す手を止めた。
そして私の前に回り込むと、今度はブランコに座る私の目線と合うようにしゃがむ。
「俺、子供の頃からずっと朱里が好きだった。
幼馴染みとして見たことなんて1秒だってないよ。
これからは彼氏として朱里の全てを知りたいんだ。
だから……結婚するその日まで彼女になって下さい」
こんなプロポーズが混ざったような告白をしてもらえるなんて思ってもみなかった。
私の返事はもちろん決まってる。
私の中でたっくんはもう幼馴染みなんかじゃない。
「はい…もちろん。だっ、て…私はっ、たっくんが…大好き…だもん」
泣きながらたっくんにした返事があの時と同じなのは狙ったわけではなく、自然と出てきた言葉だった。
私の返事にたっくんはしゃがんだまま大きくガッツポーズして見せる。
「やった…ヤバイ、嬉しすぎてぶっ倒れるかも」
子供みたいにハシャぐたっくんを見て私は泣きながら笑ってしまった。
「はー…こんなに緊張したの初めて。良かった…」
今日は今までの人生で一番幸せな誕生日。
そして、たっくんが幼馴染みじゃなくなった日。