─────ピロリン



今日もまた、携帯の着信音が鳴り響く。


しかも家に帰り部屋の電気を付けた途端に、だ。

これは偶然ではなく、まるで見計らったかのように毎日毎日部屋の電気が付いたタイミングで送られてくる。



画面に表示された差出人を見て、毎日よく飽きもせず…なんて思いながらもメールを開いてみる。

というより、内容は開かなくても分かる。

だって、毎日毎日送られてる文章は一字一句変わることなく全く同じなんだから。



“朱里おかえり。早く窓開けて”



これだけ見ると一見ストーカーのよう。

いや、実際ストーカーみたいなものなのかもしれない。

だって彼はいつでも私に付き纏う。

学校の中でも、家に帰ってからも。