「ええ…サムだけだったわ。私とあなたとのことをわかっていてくれたのは……」

「……そうですね…彼は、優しい目で私たちを見ていてくれました……」

頷いて、リュートがつかんでいた手をさらにぎゅっと握り締めた。

「……彼がいてくれて、本当に良かった……もしも、その地下室であなたが命を失くすようなことがあったら……」

握った手を引き、身体を胸に抱き寄せて、

「……私も、生きてはいられませんでした……」

リュートは声を震わせた……。