毎日の食卓の場でも、なんの会話すらもなく、
「……この食事、あまり味が濃くはなくて美味しいですね」
私の方から話しかけると、
「…ああ」
とだけ、素っ気なく応えて、
「……おまえのために、薄い味付けにしたわけじゃない。たまたまだ…」
キースはそう付け加えた。
「そう…ですか…」
かつて彼が言ってくれた、『では今後は濃い味付けは控えるよう、シェフに伝えておこう』という優しげな気づかいがふと思い出された。
私は、そんな彼の優しささえないがしろにしてしまった……。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…