「……。……そうよ」と、頷くと、 キースが、「くっ…」と、くぐもった声を漏らした。 「……貴様、認めるのかそれを。私と結婚をしている身でありながら、自身の不貞を……」 「……不貞などは、何もありません……」 リュートとの束の間の逢瀬が頭をよぎり、 「……私は、ただ元執事に会ってきただけです」 言うのに、 「信じられると思うのか? そのようなことをっ!」 キースが感情を高ぶらせる。